研究会(12月11日オンライン開催)のご案内

人文社会学系、武道指導系、自然科学系の各分野で、オンライン研究会が開催されます。会員の皆様には、奮ってご参加いただけましたら幸いです。

 

①人文社会学系(柔道の歴史研究班)

研究会テーマ「戦中・戦後の柔道界:南郷時代を中心に」

【研究会趣旨】

これまで、柔道史の研究では嘉納治五郎の生きた1860-1938年までが主な研究対象であった。しかし、近年では嘉納死後、講道館長を引き継いだ南郷次郎の研究、及び南郷時代(1938-1946)の柔道の実態解明が進みつつある。そこで、本分科会では近年の南郷時代の実態解明の成果と今後の課題をテーマとする。

南郷時代の柔道史が進まなかったのはそれが第二次世界大戦の時期と重なっているという背景があるだろう。戦後の柔道史研究者にとって、この時代は戦争協力も視野に入れなければならない「暗い谷間」の時代であったためである。研究者自身がこうした時代を必死で生き抜いていたり、そうして生き抜いた世代に育てられた団塊世代がこれまで柔道史を牽引してきたりしたことを考慮すれば、これらの人々にとって南郷時代は心理的に抵抗のある研究対象であったと思われる。

しかし、戦後日本の柔道界の諸問題を考える際に南郷時代をミッシングリンクのままにしていては、嘉納時代から何がどのように変容したのか、あるいは何が継承されたのかといった問題が不分明なままになってしまう。

今回の発表者2名は団塊ジュニア世代であり、第二次世界大戦とその影響を相対化できる世代でもある。これを利点として今回は南郷時代を中心に戦中・戦後の柔道史について議論を深めたいと考える。

【研究会形式】

期日:12月11日(土)13:00~15:10

1人発表40分。質疑応答40分。トイレ休憩を間に10分。

形式:研究発表型(Zoom等を用いたオンライン形式)

発表者および内容:

➀桐生習作(講道館)

「ビッグタイトルなき時代の柔道史〜戦時中の学校柔道必修と戦後の学校柔道禁止〜」

➁工藤龍太(早稲田大学)

「講道館で制定された形の比較研究:南郷時代から講道館護身術制定(1956)に着目して」

司会:中嶋哲也(茨城大学)

参加費:無料

【参加申し込み先】

参加を希望される方は、メールにて、下記の中嶋先生までご連絡ください。

中嶋哲也(茨城大学)tetsuya.nakajima.anthropology@vc.ibaraki.ac.jp

 

今年度は以下の研究会が企画されています。

①12月11日 研究会テーマ「戦中・戦後の柔道界:南郷時代を中心に」

②12月18日 研究会テーマ「武道必修化から10年:柔道授業の現状と課題」

③3月17日 研究会テーマ「柔道での熱中症重大事故ゼロを実現する」(予定)

④3月 KOBE自他共栄CUP国際柔道シンポジウムと共催研究会(予定)