オンライン研究会 報告②柔術・柔道史研究の現状と課題:日本と海外の研究状況

第2回研究会の世話人・中嶋哲也先生からの報告を、以下に紹介させていただきます。

【第2回】

テーマ:柔術・柔道史研究の現状と課題:日本と海外の研究状況

開催日:2020年12月20日(日)14:00〜16:10

世話人:中嶋哲也氏(茨城大学)、星野 映氏(早稲田大学)

発表者1:中嶋哲也氏(茨城大学)日本の柔術・柔道史の現状と課題

発表者2:星野 映氏(早稲田大学)ヨーロッパの柔術・柔道史の現状と課題

参加人数:9名

【第2回】

「柔術・柔道史研究の現状と課題:日本と海外の研究状況」報告書

 

1.研究目的

柔術・柔道の歴史研究は、対象の時間的・空間的な拡大や、取り扱うテーマの多様化によってますます豊富になっている。代表的な研究としては、井上俊『武道の誕生』(吉川弘文館、2004年)、寒川恒夫『日本武道と東洋思想』(平凡社,2014年)の第4章「柔道」が挙げられる。ただし、これらの研究は社会学や人類学の専門家によって進められてきたが、研究手法としては過去の資料を用いた歴史研究である。そのため、人文社会科学の柔術・柔道研究において歴史研究が重要であることは間違いない。

さらに近年では、階級やジェンダーなどといった視点を新たに用いて、あるいは移民史やグローバル・ヒストリーなど歴史学の研究潮流を取り入れることによって、より重層的かつ広範な研究が期待されている。現在のところ坂上康博編著『海を渡った柔術と柔道』(青弓社,2010年)がこうした潮流を意識した論文集だが、この方面の研究は今後期待されるところである。

本研究会ではこうした柔術・柔道史研究が現在、日本の国内外でどのように行われているのか、また今後どんな研究の展望が拓けるのかを議論した。

 

2.研究形式

会議形式:研究発表型(Zoomを用いたオンライン形式)

期日  :12月20日(日)14:00~16:10 一人発表40分で質疑応答40分。休憩を10分。

発表者:中嶋哲也(茨城大学)「日本の柔術・柔道史の現状と課題」

発表者:星野映(早稲田大学)「ヨーロッパの柔術・柔道史の現状と課題」

参加者数:9名

 

3.実施内容

研究会の内容としては発表者側からは、総じて嘉納治五郎に議論を集中させず、様々な視点から研究する必要があると主張されたが、フロア側からは、今後、研究テーマが細分化されていくとして、それを評価する研究者のコミュニティや環境は整えられるのかどうかという課題が提出された。

(文責:中嶋哲也)